物語の時期は梅雨 |
今回はお嬢様学校の少女同士の恋を描いたアドベンチャーゲーム「ツユチル・レター~海と栞に雨音を~」の紹介です。
物語の時期が梅雨の頃なので今この時期に紹介するのが良いのではないかと思ったわけです。
ヒロインふたり。右が湊汐里(みなと・しおり)、左が倉橋海琴(くらはし・みこと) |
物語は主人公の1人、湊汐里が見知らぬ先輩から告白されるシーンから始まります。とはいえ、余りにも異質な状況に汐里もプレイヤーも困惑します。
告白シーンのはずですが |
それでも告白してくれたのだからと付き合うことを了承し、一緒に下校して知らない先輩のことを少しでも知ろうと提案するも拒絶されるというオープニング。
何だこの展開?と困惑しながら読み進めていくとシーンが切り替わり、告白してきた先輩、もう1人の主人公、倉橋海琴の視点での物語が始まります。
なるほど、彼女の視点で心情を知ると冷たい告白の理由もうなずけるものがあります。
脅迫状、作成する手間ってどれくらいでしょうね? |
という感じで2人の、汐里と海琴の視点の繰り返しで物語は展開していきます。
大筋はすでに知っているのにまた見るのかという部分も生まれてしまいますが、汐里や海琴はこの時こういうこと考えていたのかと読み進める楽しみもまた生まれます。
脅迫状がきっかけで付き合うことになった2人、一般的な付き合うの概念とは異なるものになるのは想像に難くなく...ということで脅迫状のことを知らない汐里とそれを見るプレイヤーにとっては居心地の良くない時間がしばらく続きます。
それでも一緒に下校して相手のことを知ろうと会話を試みる汐里ちゃんは良い子だなあと思います。
会話のない下校時間 |
何か話題を振ろうとしても塩対応 |
それでも日々を重ねていく中で海琴の中での汐里の印象が良い方向へと変わっていきます。
脅迫状の送り主と汐里は別人物では、という思いが強くなると共に汐里に対する好感度が上がっていく展開に期待が高まります((゚∀゚)キタコレ!!)
素直な良い子の汐里の反応が毎回毎回可愛いので、こう、何と言いますか、浄化される感じがあります。そう、浄化です。
色んな表情を見せてくれるようになる |
下校途中の買い食いを勧められた時の汐里の反応 |
だからこそ、海琴もまたマイナスの感情が消えて可愛い後輩と捉えるようになっていくのです。
そして休日に一緒に遊びに行くほどに仲良くなっていきます。
(こ、これだよ。私が求めているモノは!!)
水族館デートもあるよ |
『幸せそうな汐里の姿に、私も嬉しくなる』
↑こんなこと思うほどに変わっていくんですよ。俗に言う、てぇてぇってヤツですよ!
(てぇてぇ:尊いという言葉をTVアニメ、ドラゴンボールの孫悟空みたいなくだけた言い方をした表現、かどうかは知りませんが尊いが原型なのは確かです)
このままだと普通にあらすじを紹介してしまうだけで終わってしまう恐れ"しか"ないのでここら辺で止めておきます。
徐々に仲良くなって終わり、めでたしめでたし。とすんなりとは終わらないとだけ書いておきます。
脅迫状が障害となってしまうと予測するのはたやすいでしょう。
汐里が声を上げて泣きじゃくるシーンの演技は必聴 |
そんな彼女が中盤以降に感情をあらわにして涙するシーンがあります。自分をあまり表に出さない彼女の嗚咽が心の奥深くに刺さってくるとても印象強い場面です。
ここはしっかりと声を、演技を聴いていただきたいと強く願う次第です。
全編を読み終えるのに要する時間は私の場合およそ7時間ほど。
お値段も控えめで手に取りやすいのではないでしょうか。
それでもまだ迷いのある方のために耳寄りな情報をひとつ。体験版があります。記事最下部にストアページのリンクを貼り付けてありますのでそちらからどうぞ。
脅迫状は一体どこの誰が?という謎は明確に明かされてはおりませんので謎を解き明かす要素を期待すると肩透かしを食らいます、ご注意を。
はっきりと明かされてはいないものの推測はおそらく可能です。
ラストは続編がありますよ、という終わり方なので別のキャラにフォーカスを当てた新作を期待しております、メーカーさん。
本作を終えた感想を述べるならこんな感じ↑ |