2021年5月9日日曜日

死と向き合うせつない物語「Narcissu -ナルキッソス-」

 今回はPCで配信、PSPでも発売されたナルキッソスの紹介をします。

steamの製品ページの紹介文を以下に引用します。
「ナルキッソスは不治の病、生きること、死ぬこと、そして去る者と残された者の関係を描いた感動的なビジュアルノベルシリーズ。この物語には奇跡も英雄も悪役も存在しない。冷酷で容赦のない厳正な現実の中ただ生きようと、自分たちなりの死への直面の仕方を探求するキャラクター達を描いた物語。」
紹介文にシリーズとあるようにいくつかの物語がありますが、ここでは1作目と2作目を紹介します。ナルキッソス1st&2ndはsteamで無料配信、開発元でも2の中に1を含めた形で配信していますので、紹介文を読んで気になった方は文末に貼り付けたリンクからたどってDLしてくださいませ(私の文章は飛ばして構わないです)
※記事中のゲーム画像はsteamで配信されているナルキッソス1st&2ndのものです

ナルキッソスの主な舞台となるのはホスピスと呼ばれる終末医療を行う病棟です。そして終末医療とは患者の肉体的・精神的苦痛を和らげることを目的としたもの。
1stは突然の肉体の不調から長期入院を経てホスピスへと移ることになった青年の視点から物語は始まります。
そして先にホスピスに入院していたセツミ(シリーズ通しての主人公)という女の子と出会い、家で死ぬか病院で死ぬかしかないという現実に対して第3の選択を選ぶ、短くも長い旅が始まります。

2ndは1stの7年前を描いた物語。セツミがまだホスピスに入る前の話。ホスピスの患者、姫子という女性と過ごした日々を、別れを描いた物語。ヘルパーとしてホスピスの手伝いをしていた姫子の過去も絡めて展開されます。
死に行く者とそれを見送る者の想いが胸に残ります。
全ての物語は選択肢を提示することなく一本の道を進んでいきます。ホスピスの患者の行く先はただ一つしかないとでもいうかのように。そして、そこには奇跡はないと、冷徹に突きつけるかのように。
ではこの物語はただ悲劇であるのか、というとそれも違います。あまりに多くを語ることははばかられますから伏せてますが(1stで約1時間、2ndは3時間ほどで読み終わるため)、去る者と残される者の想いを通して、それを見る私たちに普段意識することがない何かを教えてくれます。
極力情報を削って作った実験作として送り出されたという本作、キャラクタが全面に出てくるイベントグラフィックはほぼなく、画面構成もとてもシンプルなものになっています。
他にイメージを受け手の自由に作ってもらう意図でボイスもなしにすることも意図されていたようです。…最終的にありとなしを選べるようになってます。(が、私個人はボイスありをオススメしたい。声の演技のすごさを感じてほしいのです)
セツミの諦めきったようなか細く平坦な声。しかしその声はしっかりと私に届く、聞き取れる。
物悲しい旅路にそっと寄り添うBGMも素晴らしい。(1stで聞ける「銀のクーペ」は特にそれを実感できる)
実際にプレイして言葉の意味を噛みしめてほしい




PSP版はメインキャラだけでなくサブキャラまでフルボイス
他にもキャラデザインが変わっていたり、1st&2nd以外の追加ストーリーもあります。
ですが、PSPでしか発売されておらずDL版も存在しないためプレイできる環境が限られています。限られた環境をお持ちの方はどうにかしてPSP版を入手してほしいものです。
1stでの二人のフルボイスのやり取りだけでも元は取れる、そう思ってます。
可能なら限定版を入手して聖地巡礼マップやオフィシャルブックを手にしてほしい。


Steam:Narcissu 10th Anniversary Anthology Project (上記のものに追加のエピローグが追加された有料版)
開発元:ステージ☆なな (1と2はここからもDL可能)

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