2022年6月14日火曜日

発売から10年の節目に改めて紹介したいSFミステリ「ルートダブル」


今回は6月14日に発売10周年を迎えるSFサスペンスアドベンチャーゲーム、ルートダブルを紹介します。

これまでにXbox360とWindowsで「ルートダブル」、PS3、vitaで「ルートダブル Xtend edition」、そしてスマホ向けに「ルートダブル Smart Edition」が発売されています。このブログでは主にSmart Editionの紹介をします。
イラストレーターみけおうさんの描く可愛い美少女や魅力的な美女が目立ってはいるものの、中身の骨太なストーリーが素晴らしい出来栄えなのです。
(文中で紹介する画像はiOS版『ルートダブル -Before Crime * After Days- Smart Edition』で撮影したものになります)


ルートB主人公と同居してる美少女

ルートB主人公の家に毎日朝食を作りに来てくれる幼馴染

ルートA主人公の同僚

ルートB主人公の学校の女教師

ルートB主人公と同居することになる美少女
ストーリーが素晴らしいと書いておきながら…ゲームの印象を捻じ曲げそうな画像を連続貼付してしまいました。ここからは真面目に語ります。


巨大な科学研究施設『ラボ』で発生した事故。この事故によってラボに閉じ込められた9人の脱出劇。これが事故前(before)と事故後(after)の2つの時系列、2人の主人公『天川夏彦』と『笠鷺渡瀬』の視点で語られていきます。

事故前のルートビフォー(ルートB)では事故発生直後の夏彦たちが事故当日までの6日間の軌跡を要所要所で振り返る形で展開していきます。何でもない日常に潜んだ影の断片がつなぎ合わされて大きな闇となっていく流れはミステリ色が強めです。
終盤で明らかになる夏彦の秘密、スタッフロール後の衝撃的なイベント。
一通り読み終えてから改めて読み直すと仕込まれた伏線の数々に気付かされ、そして驚かされます。
ルートB開始直後

日常回想シーンから

中央が夏彦の母親、若いよ(36歳)

詳細は語れない重要なシーン

事故後のルートアフター(ルートA)では事故発生の報を受けて派遣されたレスキュー隊の隊長、という記憶を失った隊長の渡瀬が要救助者と共にラボからの脱出を計る緊迫感に満ちた脱出劇が描かれます。
記憶喪失という状況を気にしていられないほどの危機的状況の連続でキリの良いところまで読み進めようとしても止め時が見つかりません。こちらはサスペンス色が強くなっています。
中盤以降に徐々に壊れていく何か、そしてこちらにもスタッフロール後の衝撃イベント。
頑張れレスキュー隊

詳細は語らないでおきますが、分かる人は分かる

サスペンス要素が出てきてからが本番

ラボ内が崩壊状態


2つのルートを読み終えると新たなルートが解放され、これまで明かされなかった謎が解き明かされていきます。
全編通して巧妙に張り巡らされた伏線の数々、意識せず読み流してしまうだろう何気ない一文さえも伏線だと言っても過言ではないと思います。
公式サイトの「About」「What is Route√Double?」から一部抜粋させていただきますと
「ラボで発生した“事故”と、その所内に閉じ込められた9名の男女」というストーリー設定に対して今回の主人公は、救う側(レスキュー隊員:渡瀬)、救われる側(閉じ込められた高校生:夏彦)、と明確に対比する(表と裏の)立場が与えられている。

この「同じ事象を異なる立場から描いていく物語構造」と、何か関係がありそうだ。

サブタイトルには、『Before Crime * After Days』と、これまた意味深な題がつけられている。
素直に訳すなら、「犯罪以前、その後」ということになる。
ストーリーと絡めて意訳すれば、「事故の前、後」だろうか? 

これで渡瀬と夏彦の各シナリオの状態と符合する。
Crime(罪、犯罪)を事故と訳すのは無理があるが、事故の背後に犯罪が絡むことを
仄めかしている可能性もある。

さらに穿った見方をすれば、頭文字が「BC * AD」となっていることにも意味があるかもしれない。
「紀元前、紀元後」──これも対比の関係だ。


考察が好きな方々にとって非常に興味をそそられるものではないでしょうか。
ラボに閉じ込められる主要な登場人物9人にはエニアグラム(全9タイプ)がそれぞれに割り当てられており、それもまた作品を深く知る材料となります。
パッケージイラストにもその要素が含まれており、9つの点をもった円と各点をつないだ線が背景に描かれています。
散りばめられた謎はゲームの中だけに留まってはいないのです。





メニューまわりの紹介。シーンジャンプが便利
ルートをクリアでチャプターセレクト解放。シーンジャンプと合わせることで再読が容易に行える


タイトルメニューの「extra」「album」の端にPVが収められてます。
OPだけでなく各ルートごとのエンドロールに予告PVまで用意されています。1つのルートをクリアする毎に追加されていきます。1度は目を通してほしいです。
そして過去と未来が交錯する物語を最後まで見届けてください。

事件前のルートBから紹介しているのは時系列に沿っておこうという考えとは別にBから読み進めて欲しいなという私個人の願望です。
どちらから始めるかで印象が変わるのであまり推すのもどうかなと思いますが、夏彦君が少しばかり報われない感あり、なので…。

誰かのためにすべてを壊すのか。全てのために誰かを殺すのか。(これのみ壁紙でゲーム内画像ではないです)
本当に報われないのは壁紙でこの扱いを受けている宇喜田さんなのかもしれない。彼はみけおうさんデザインではないので存在が薄い・・・ん、誰が髪の話をしたって?


ルートダブル -Before Crime * After Days- Smart Edition

ルートダブル公式 

電撃オンライン・ルートダブルレビュー
Xbox360版のレビュー記事です。最初のルートダブルがどういうものなのか気になる方はぜひ一読を。
他にもネタバレありのロングインタビュー記事もあります。

・ゲーム以外のルートダブル

小説版ルートダブル・√After
小説版は紙と電子書籍とで販売されており全4巻で完結。ゲーム未プレイでも問題なく読めます。原作シナリオを担当した月島総記さんが執筆。
こちらは小説という媒体に合わせた仕掛けが施されており、3,4巻の流れを読んでなるほど、そういうやり方で来るのか!と思わずうなってしまいました。
ゲームプレイ済みの方にも存分にお楽しみいただけることでしょう。
試し読みもあります。

漫画版ルートダブル・√After1巻
漫画版、こちらも紙と電子書籍とで販売。afterとbeforeそれぞれ2巻、全部で4巻出てますが未完となっております。作画は桃山ひなせさん。
ゲームをプレイしていると何気ないコマのひとつひとつにしっかりと伏線が含まれており見せ方に感心させられます。
終盤の伏線回収でゲーム未プレイの読者が驚愕する様を見たかった…。
試し読みは電子書籍を取り扱う各配信サイトで可能。ひいきのサイトでご覧いただければ。


最後に伝えたいこと。
※私は独自のゲームシステムが存在する旧ルートダブル(オリジナル、またはXtend edition)を勧めたい。
システム込みで構成されたストーリーが存在していると思っているから。
Senses Sympathy System(センシズ・シンパシィ・システム)という9人の人物の誰に共感をしているかを選択するシステム、なぜ分岐にこのシステムが採用されたのか。
2人の主人公とは別に、プレイヤー自身も登場人物のひとりとしてストーリーに関与していることを示しているのだ。あの名作ADV「ever17」のように、しかしそれとは違うやり方で。
ただ悲しいことに現行ハード向けには発売されていない。旧ハードを所持していないと遊べないのが非情に勿体ない。steam版があるものの日本語に対応してない海外版(音声のみ日本語)しかないのだ。
発売から10年の節目を迎える本作を現行ハード向けに発売してほしいと強く願う。この願いを表に出すためにこの記事書いてるところも少なくないのだ。

《頼む。この願い、届いてくれ!!》

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